アルチアで髪を染めているとき毎回毎回「染みてないですか?」と聞かれていませんか?
ひょっとして毎回聞かれ過ぎてお客様の中には
「頭がノイローゼになって定型文のように聞いてるのかな?」と思われる方もいらっしゃるのでは…
当たり前ですが薬剤にはリスクがあり、薬剤を使用する上で美容師には大きな責任があります。
では、いつもなぜ毎度毎度聞いてくるのか?
「私が染みないのはもう知ってるでしょ?」と思いがちですが、そこには理由があります。
まず結論として、染みていたら素直に答えてください。
僕(土沼)は薬が染みるどころか強いアレルギーを持っているので染みるどころでは到底収まらず
そのまま病院いきが確定してしまいます。
美容師になる前は金髪にもしていましたし若者らしくチャラチャラ浮かれていました。
先輩からカラーを塗るときは「染みていませんか?」って聞きながらやるんだよ。と教えて持っていましたが
「薬をペタペタ塗り付けてるんだから、多少ピリピリするのは当たり前だよね?」
「我慢できない程じゃないし、大丈夫じゃない?最初に聞いたら毎回聞かなくても」と思っていたのですが
一般的には全くピリピリを感じない(らしい)みたいです。
体感は薬でひんやりする程度、だそうです。
ここから少し真面目な話になりますのでお付き合いください。
ヘアカラーは、薬機法(旧・薬事法)で定められた低濃度の過酸化水素水(業界では「オキシ」と呼びます)を混ぜて使っているため、
少なからず頭皮に負担がかかります。が、それとは別に美容師が心配しているのは、アレルギー反応を起こす成分が含まれていることです。
美容界ではそれを、アレルギーを起こす成分にちなんで「ジアミン」アレルギーと呼んでいます。
その成分を抜いたお薬も開発され続けていますが、その成分が無くては髪が染まらないほど重要な成分のため、
2021年現在、既存の薬を代替できるほどの効果があるものは存在しません。
僕は皮膚科でジアミンアレルギーと診断済みです。
日常的に薬剤を触っているため、今も手荒れと戦っていますが軽微なもので、長年の経験を駆使し最大限触れないように努力を重ねています。
ですが、アレルギーは過敏に反応する方が少なからずいます。皮膚がただれたり、顔や全身にまで炎症や腫れが出ることもあります。
(美容師2年目の時に私は指先から両腕の付け根まで炎症+かゆみ+腫れに悩まされていました…)
そしてアレルギーは花粉症などに代表されるように、いつ発症するかわからない、というリスクがあります。
今まで何ともなかったのに、急に(※重要)発症する可能性があるのです。
なので僕たちは「染みてないですか?」と毎回聞く必要があります。
「なんかいつもと違う」「ピリピリきている」と感じたら、素直に教えてください。
脅しのようですが、実際に反応が起きる人は少数です。
また過敏な反応を起こすのは本当に稀なケースで、一つの美容室の中でも数える程です。
ジアミンアレルギーは普段から皮膚が弱い方に発症しやすい傾向があります。
例えばお皿洗いをする食器洗剤で激しく荒れてしまう方は、少し警戒した方がいいと思います。
肌荒れの反応の起きにくいヘアカラーもあります。
代表的なのはヘアマニキュア(酸性カラー)、ヘナカラー、香草カラーなどです。
いずれも頭皮に優しいのですが、染まり具合などにメリットとデメリットがあるため
取り扱いの有無が美容室によって分かれます。
私自身がかなりヘアカラーについては昔悩まされ色々勉強したのでたくさんの相談に今は乗れると思います。
心配な方は、私たちとよく相談しながら、リスク回避しつつ素敵な髪色で2021年も過ごしていきましょう。