年始にお客様向けLINEに送った“今年の目標”
「10年かけて美容師の離職率を下げたい」と記しました。
今年の目標を書くはずなのに10年後の目標を書くくらい
聞かれたことに素直に答えられない性分なのはさておき
真剣に考えているものなんです。
僕は来月で美容師20周年になります。
3回ほど職場を変えました。
1回目は東京から新潟に戻ってきたくて自主的に辞職の旨を伝えました。
2回目と、3回目はどちらも望んでいませんが退職を勧告されました。
あまりにも劣悪な環境に不満の態度が隠せなかったのでしょう。
アルチアを開店させるときに心に誓ったことは
自分が経験した嫌な思いは一緒に働くスタッフには決して思ってほしくない。でした。
なんとなく察せられるように
美容師は辞めたくなる理由が尽きないほど出続けるんです。
これをまたここで列挙していくと
終わらないブログと化してしまうのでいちいち書かないですが
（書きたいですよ？延々と書いてしまいたいですよ？世の中の美容室に喧嘩を売りたいですよ？）
もちろん「美容師やりたい」って思って
お金と年月をかけて国家試験を取得して
晴れて美容師になったわけだから
20歳の3月の時点では意気揚々としているわけです。
単純にその時のモチベーションを維持しつつ働いてもらえるに越したことは無いんです。
それでも美容業界では
入社3ヶ月しないで1割が離職し
入社1年で3割が離職し
入社3年で5割が離職し
入社10年で9割が離職する
類まれなる異常な職業の1つです。
そしてこの異常な環境がずっと変わらず続いているんです。
僕は、お客様と会話をするのが得意ではありません。
（突然どうした。いや突然でもないか、、バレている人にはバレている）
手先も器用ではありません。
部屋だってキレイにするのは苦手です。
（いま、関係ない）
それでも美容師はとても楽しくて
お客様みんな優しくしてくださるし
シャンプーで襟を水濡れさせても「いいのよ、いいの」と許して下さるし
（全然よくありません。大変申し訳ございません。）
カラーが塗れるようになったら自分の息子か？くらいに喜んで下さるし
ずっとずっとお客様に支えられ
大変な中、共に働くスタッフと協力し合い
やってきました。
不器用ながらも一つ技術を新しく覚え
試験で合格をもらえれば
今日、世界中の人類で最強に幸せな一人☆くらい舞い上がって眠りにつくものです。
ここには簡単に書ききれないくらいのたくさんの
楽しさも喜びもある美容師という職業ですが。
それらを一瞬で吹き飛ばすくらいの
辞めたくなる理由が山積しているんです。
いま、一つの美容室の経営を初めて11年目に入っていますが
どの業種でも言われていますが経営の何が難しいって
「続ける」こと。
アルチアも大変な時期は幾度となくありました。
それでも今だから言えるってわけではなく
ただ誠実に日々過ごしていれば経営は続けられると気付くわけです。
長時間労働させて売上を上げなければ経営できないわけでは無い
トレーニングをミーティングを営業時間外にしなければ経営できないわけでは無い
社員の給料を最低水準にしなければ経営できないわけでは無い
残業代を支払ったら経営できないわけでは無い
賞与を支給したら経営できないわけでは無い
有給休暇を全日取得させたからと言って経営できないわけでは無い
社会保険に加入したからと言って経営できないわけでは無い
社員が土日に遊びに出かけるために休んだからと言って経営できないわけでは無い
練習のために自腹を切らせて材料・道具を買い続けてもらっていたものを会社負担にしたからといって経営できないわけでは無い
そうなんです。
やってみたらそれでも経営は続けられたんです。
となると、何だったん？
今までの劣悪だった環境は？とハテナがたーくさん頭に浮かぶわけです。
推測の域を出ませんが考えられるのは2つ
1．利益は全部社長のポッケ
2．誠実な経営が出来ていない、ないし社員はこき使うくせに社長であるための経営の勉強をする気が無くふんぞり返って飲み歩いてる
（あくまで超個人的見解で何の根拠もない意見なのであしからず）
そりゃ、辞めるわ美容師。
良い事ばかり言ってるように書いてますが
アルチアにもまだまだ課題は多く残っています。
10年と言わず達成させたいですが
1つずつ丁寧に美容師を続けたくなる理由に変わるように考えていきたいと思っています。
例に1つ。
僕の苦手なところとする「社員のモチベーションを上げる」
厳密に言えば以前もどこかのブログに書いた覚えがありますが
大切なのは社員のモチベーションを上げることではなく
会社のせいで社員のモチベーションを下げさせないこと。
これ大切。本当に大切。
社員の小髙が1月から企画してくれた【プレミアムday】
これは小高の並々ならぬ思いが込められた企画です。
プレミアムday詳細
次回は3月1日に予定しています。
今回この新しい試みでお客様との新しい関わり方の形を見つけられたのではと話し合ってきました。
そして、もう一つアルチアでは初めての「指名料金制度」が導入されています。
日々の営業では設定のされていない指名料金。
今回のここで頂く指名料金は100％が社員に還元されます。
お客様から応援していただくその気持ちが目に見える形で社員に届きます。
不思議なことに色々な取り組みのもと
どれだけ給料を増やし続けても社員は
「お金がないお金がない」と騒いでいます。
身だしなみを整えるためのお金
友達と楽しい時間を過ごすためのお金
周り回って職場にも還元されるんだと気付いてからは
勉強して頑張って計算して
どうしたら少しでも多く、もう少し多く社員の給料をあげられるか
ただ給料を上げるだけでなく会社双方の利益になるかを
考え続けています。
これが中々にして簡単ではありません。
経営はそんな連続です。
あちらを立てればこちらは立たずだったりします。
何が嬉しいって
そんな頭を悩ませている中、社員も頭を悩ませながら
自分なりの考えを提示してくれたことです。
何事にも「誰もが認める正しい正解」なんてものは存在しないと思っています。
だから「絶対に間違い」も等しくありません。
新しいことに挑戦することに価値があり
正しければ自信になり
間違ったと思えばいくらでもやり直せばいいし、それは「経験値」に他ならないわけですから。
小高が企画したプレミアムdayは半年間の試みでスタートしています。
普段と違うアルチアを経験してもらえたらと思います。
1日の予約数限定での受付です。
ご連絡ぜひお待ちしております。