42歳美容師のミッドナイト・ラン

最近、夜が静かすぎる。

……いや、正確には「静かに始まる」だけで、その後はバタバタしている。

なぜなら、42歳美容師・私
夜中に何度もトイレに起きてしまう男になってしまったのだ。

1回目:午前1時12分
「お、トイレ行きたいかも?」
半分寝ながら暗い部屋でドアノブを探す。暗闇の中で小指をぶつけて覚醒。

2回目:午前2時43分
「……また?さっき行ったじゃん」
と自分にツッコむも、膀胱はノンストップ。渋々トイレへ。
片目さえ閉じたままなら起きた事にはならない。
左脳よ寝たままと勘違いしていてくれ。

3回目:午前4時17分
もはやトイレが寝室かと思うほどの親密さ。
この季節ではもうこの時間、外の空は白み始めている。
「おはよう、トイレちゃん」
とか言い始めてる自分が怖い。

正直、驚いている。
お客さんの前ではキラキラ笑顔だけど(笑顔の時…あるよね?)
心の中は「今夜もまたトイレに呼ばれるのかな…」と不安でいっぱいだ。

調べてみると、「夜間頻尿」ってやつらしい。名前が地味にカッコいいのが腹立つ。なんか必殺技っぽい。

原因はいろいろで、水分の摂りすぎ、塩分、ストレス、加齢……え、加齢?いやいやまだ42歳よ?
「若く見えるよね〜」ってお客さんに言われるたびに「実は夜3回トイレ行ってます」と言いたくなるのを我慢してる。

最近では対策を始めた。
・寝る3時間前から水分ストップ
・カフェイン断ち(ま、元々コーヒーは飲めないんだけど)
・寝る前の股関節ストレッチ(血流が大事らしい)

その結果…なんと!トイレ回数が3回から2回に!
地味だけど、すごい進歩だ。人はこうして希望を見つけていくんだなぁ。

夜の静けさを、トイレではなく夢の中で味わいたい。
42歳の自分は、今夜も静かに、でも密かに戦っているのであった——。