こんな年の取り方がしたいと思った1年前の出来事を

ちょうど1年前の海の日は

その直近に来て頂いたお客様を何名かと友人を誘って

バーベキューをやったんです。

 

ふと。

もう1年経ったのかと思い、当日のバーベキューの思い出ではなく

当日に出会ったかっこいいおじいちゃんの事を書いてみたいと思います。

 

30歳もこえていましたが

バーベキューを主催するというのは初めての経験でした。

 

友達だけだったら良かったのですが…

お客様も誘ってしまった手前

失敗しちゃいけない。というか。

段取り悪く、嫌な思いしてほしくないなー。と思って。

取り敢えず、場所の確保は必須だと思ったんです。

 

予約できるようなところにすれば良かったんですけど

海の日で祝日だからか自分ごときが『あっ!バーベキューしてみたいかも!』

なんて思った日には予約制のところは予約が埋まっていたんです。

だから、当日の朝早い者勝ちで

ある程度の広い公園、河川敷で広めの釜場が確保できるところじゃないと駄目で。

僕は的を亀田公園に絞りました。

 

1人では心もとなかったので当日の朝

コダカを召喚することにしました。

 

上司という権限をここぞとばかりに振りかざして召喚しました。

きっと、僕のように主催する側の人は

場所が取れなかった…。なんてあってはマズいだろうから

みんな朝すごい早く場所取りすると思ったんです。

(ちなみに亀田公園は前日からの場所取り禁止という決まりで。)

だからコダカと相談して裏の裏を呼んで

午前3時くらいに集まるか?

なんて提案してみたら、それはもう到底

上司に向けるべきではない腐った顔をコチラに向けてきたので

さすがに早いか…。と思い

召喚時間を4時に設定してみました。

腐りきった顔は相変わらずだったかもしれませんが

埒があかない。と思い顔を背け見てみぬふりをすることにしました。

 

率先垂範。

こうゆう時こそ上司の背中を部下に見せるときだと奮起した僕は

(ちなみに前日はお世話になった方の送別会で12時近くまで飲み会で)

3時にバビッと起床しコダカにモーニングコールをするもののドスルー。

寝過ごしたらマジ折檻。と思い

取り敢えずまだ真っ暗な中、家を出発。

まだ亀田公園の駐車場は当然空いていないのですが

横づけして荷物を軽く持ち釜場に向かったんです。

 

なんということでしょう。

8箇所くらいある釜場とテーブル・椅子たちが全て

ブルーシートでガッチガチに覆い尽くされ頑丈に縛られ

場所取りが全て終わっているではありませんか!?

 

心臓の高鳴りが増してきます。

中学生頃の小心者のあのリトル土沼が脳ミソをフルダッシュし慌て始めます。

『どーすんだ。おい?』

『みんな早すぎじゃねーか?』

『だから3時に来とけばよかったんだよ。』

『こりゃあコダカを生贄にバックれるしかないんじゃないか!?』

 

あわわ。あわわと。

思いはしたもののスッと冷徹土沼も顔を覗かせ始めました。

『おい。よく周りをみてみろよ誰も人はいないようだぞ?』

『これ、全部前日からの場所取り組なんじゃねーか?』

『てことは、これ勝手に撤去しても文句言われないんじゃねーか?』

 

ピコーンと名案を思い付いたところで

リトル土沼が再び、よっこいしょと顔を出してきます。

『でもさ実際、前日場所取り禁止って書いてあるし

勝手にどかしても文句言われないかもだけど

それがヤーさん相手でもお前対抗できるの?』

冷徹土沼は震えだし答えます。

『いや。それは困る。』

『基本、ケンカとかしたことないし。』

『でも、口論なら基本血筋で負ける気はしないよ?』

 

リトルと冷徹は1つの結論に達しました。

【一番、ヘボい場所取りしてるところを拝借しましょう。】

【万が一、お恐い方たちでしたら素直に引きましょう。】

正直、ホント場所取りされているところをどかして陣取りし直すとか

嫌なんですけど確実にブルーシート濡れてたんで

(昨晩から雨が降っていたから前日からのグループだろうと察しがついた)

腹をくくって偽善者の仮面をまとい持ってた包丁で

バッサバッサとブルーシート諸々を取ってしまいました。

 

もう、本当にやりながらずっと思ってたのは

『文句言われたら、最初からここには何もなかった。風で飛ばされたのでは?』

って言い張るんだ。風よ吹けー。強い風よ舞い起これー!とかですね。

 

そうこうしてる内にコダカからやっと電話がきて

眠そうな顔を引きずりやってきました。

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にやけ顔で『いやー眠いっすよねー。晴れましたねー。』

とか言ってるから、取り敢えずコメカミあたりをグリグリしておきました。

 

で、この数十分の事の顛末を伝えたら

確か6時間くらい前にみた腐った顔が3度目出てきたので

もう一度コメカミを強めにグリグリしながら

『準備開始!』と命令し、早めに友人も来てくれ

どこよりも早く点火に成功しました。

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で。

5時を回って空が明るんでくる頃ちらほらと人が集まり始めたんです。

場所取りをしていたところで準備を始めるグループ

僕と同じように『うわー、場所もうないよー』と嘆くグループ

 

そんな折

作業着を着たおじいちゃんがノソっとノソっと釜場に来て言いました。

おじいちゃんからは到底出ないような声量で。

『おい!この公園は場所取り禁止なんだよ!

誰だ!?シートで固めてる野郎は!?』

ちょっとガヤガヤし始めてきていた釜場周りは一瞬で注目を

そのおじいちゃんに向け静まります。

『よーし!誰もいねーんだな!?

全部切って捨ててやるよ!

ほら、そこの兄ちゃん家族たちここ使えて!

朝、来たもん順でつこていいんだて!』

 

僕たちは黙って顔を見合わせ思ったことは一緒でしょう。

『もし、この場所取り野郎どもがきたらなー言っとけ!

管理のジジイが棄ててやったってな!

文句があるなら管理事務所に来い!

草刈り器、担いでむかえてやっからよ!カッカッカ笑』

 

おじいちゃんを囲む周りの家族たちを見て僕は

初恋をしている中学生女子がサッカー部の練習を見つめ

両手を口元に持っていき口半開き、目元トローン状態の、伝説のあの光景を見ているように感じました。

 

そして同時にリトルと冷徹の掛け合いを恥じました。

自分の行動にいつだって後ろめたいことなく堂々と出来たらどんなにかっこいいんだろうとも思いました。

 

あんな年の取り方が出来たら良いな。

おじいちゃんが撤去した後は

早く来たのに場所が取れず残念がっていた家族たちが

おじいちゃんにお礼を言い無事に場所を確保しバーベキュー準備にとりかかったり。

 

で。

前日からの場所取り組がどうなったかというと。

結構、これも腹立たしいんですけど。

がんじがらめで場所取ってるからか安心しきってるからなのか

10時も回ったあたりで来たんですよね。

もう、そんな時間には普通に全ての場所でバーベキューが本格的に始まって

ワイワイ楽しんでる中、アレ?みたいな感じで

自分たちが取った場所だろうあたりでキョロキョロしだし

隅っこでグシャグシャに固まったブルーシートを見つけぼやいてはいるものの

自分が場所を取っていた釜場を今使っているグループには文句も言わず

コソコソと回収しつつ周りの女性たちから大ブーイングという悲惨な光景を

周りの全員が好奇な目でチラ見し続けるという稀有な様子は

さすがに少し可哀想でしたがどうしようもありません。

自分たちの場所を分けてあげれるだけのスペースも無く

必殺【見てみぬふり!】を繰り出すことにし目の前の仲間・お客様たちとバーベキューを再開しました。

 

 

たくさん写真を当日も撮り後日お客様にも配ったりしましたが

最後に一番【今っぽい】なという写真を貼ってこのブログを終えます。

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タイトル≪親は酒飲み 子供はyoutubeに夢中≫