美容室が静かすぎる時間帯。
そうそれは毎年決まって1月と2月にやってくる。
これはもう避けられないのかもしれない。
だって今までいくつかの美容室を渡り歩いてきて大抵そうだったから。
日頃の仕事の姿勢のツケではないと信じたい。
そうじゃなきゃ腐ってやってられない。
そんな静かな冬はBGMだけがやたらおしゃれに流れていて、
ツッツッズンズン♪と
「この曲、誰向け?」と一瞬思う日中の空白時間。
そんなとき美容師は、基本的に仕事と無駄の間を行き来しています。
まずやるのは、意味もなく予約表を確認すること。
5分前にも見たのに、もう一回見る。
リロードしてみたところで予定は変わっていない。
なのに見る。
「この空白、埋まる可能性…3%」とか勝手に計算します。
美容師は馬鹿だと思われがちですが(実際、自分は大学進学何て夢のまた夢で。。。)
次に、ドアが開く“気配”に異常に敏感になります。
風、車の音、隣の店のドア。
全部「お客様か?」って顔を上げる。
違ったときの気まずさは、誰にも見られていないのに恥ずかしい。
そして始まる、どうでもいい、もといとても大切な脳内反省会。
「さっきのお客様の前髪、あと1ミリ短くしても良かったな」
「いや、あれはあれで正解だったはず。めちゃ可愛かった」
誰も答えを出してくれない脳内ディスカッションが続きます。
時には突然、天才的な新メニュー案が降ってくることだってあります。
「これ、名前つけたら絶対流行る」
「価格設定も完璧」
…で、忙しくなった瞬間に全部忘れる。
メモ?そんなものはもちろん取りません。
Instagramも開きます。
形態に保存されている写真を見る。
シャシャシャシャシャーとスクロールはする。
閉じる。
「今の時間帯じゃないな」と言い訳だけ一流になります。
暇すぎると、ハサミと会話を始めます。
開閉して音を聞いて、
「今日もいい音するな」
完全に末期です。
さらに暇が続くと、急に人生について考えます。
「俺、なんで美容師になったんだっけ」
「これ以外この年から転職してできること、ある?」
「 ……。 」
ちょっと重くなったところで、
「まあ、今日のカラー綺麗だったしな」と回復。
そして結論。
暇な時間は、
忙しい日のありがたみを思い出しつつ、
次に忙しくなったら文句を言うための助走期間。
美容師が暇なとき、
何もしていないようで、
実はちゃんと“暇を全力で消化”しています。
もちろん、今はとっても忙しい営業時間中に少しの合間を縫って頑張って
このブログを書き上げているわけです。
暇な時間にちゃんと考えてる美容師は、
たぶん忙しいときにサボりません。
逆に、暇なときに何も考えてない人は、
たぶん忙しくても何も考えてません。
土沼は前者でいたいなと思っています。
